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2013年4月23日 (火)

見透かされる音楽

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岡部さんはわたしがキライだ。
聞いたことはないけれど、たぶんまちがいない。
その証拠に、トリニテがそれほど頻繁にライブをやる集団ではないにもかかわらず、会うたびに「早く全部録音して解散しましょうよ。」という。

一応トリニテのメンバーである(はずの)岡部さんは楽譜を持ち帰らない。
あるライブで、キーボードが別の場所に搬送されてしまってセッティングに時間がない中、私の準備不足で岡部さんに楽譜を渡せないままライブが始まったことがあった。その時、メモリーにもかかわらず何の損傷もなく、もしかしたら普段以上に凄い演奏してくれた。そんな時おめでたい私は、岡部さんはこんなにも私のこと、トリニテの音楽を愛してくれているんだと思ってすごく幸せな気分になる。でも本当はトリニテがライブでやる音楽なんて、それほど特別な展開はないし、当たり前のことを普通にやっているその結果、というだけのことなんだけど。

岡部洋一とは何者なのか。
昭和37年1月12日生まれ、A型山羊座。高校時代からパーカッションの演奏を始める。大学在学中にブラジル音楽と出会い、卒業前からプロとしての活動を開始。ブラジリアンレストランでしばらく演奏したのち、いきなりおニャン子クラブの全国ツアーに参加。その後アイドル歌手のバックを多数つとめる。それとともにさまざまなジャンルのアーティストと共演するようになる。ジャズ系、ロック系のコンサートやライブハウスへの出演が増え、また来日ブラジル人ミュージシャンとの共演も多い。もともと好きだったアバンギャルドな音楽を演奏する機会も多くなり、最近はどんどん深みにはまってゆく日々を過ごしている。現在、トランスロックバンドとしてコアなファンをもつ「ROVO」や、「ボンデージ・フルーツ」、また16人編成のロックバンド、「ザ・スリル」のメンバーでもある。おもな共演アーティストは、バーデン・パウエル、大貫妙子、ショーロ・クラブ、向井繁春、小野リサ、村田陽一、溝口肇、中西俊博、井上鑑、epo、酒井俊、城戸夕果、ホッピー神山、角松敏生等々、枚挙に暇なし。いま、もっとも便利につかえる インチキパーカッショニストのひとりである 。

このプロフィールは2001年ウエブサイトに掲載された。
「便利な存在」とうたっているだけあって、これらは氷山のほんの一角に過ぎない。とてつもなくたくさんの音楽シーンに関わり、活躍をしてきたであろうこの年、ほぼ1人で完結したリーダーアルバム「Satiation」をリリースしている。 Satiationって飽食という意味らしい。なに?みんなに使われて飽き飽きしてるってこと?まさか。でもありとあらゆる音楽をてんこもりに食わされて来たタイコ人生を思えばむしろ納得のタイトルだったりする。

優れたパーカッショニストが時間軸に長けていることは言うまでもないが、実は音程や倍音だけでなくメロディーやハーモニーの感覚にも非凡なのだ。岡部洋一がただリズムを刻むだけのパーカッショニストではないことはだれもが知っていること。このアルバムにはそれを裏付ける世界が広がり、そこには明らかにひとりの作曲家の姿があった。

作品の全体像が見えないスタジオでひたすらたいこを叩き、ミュージシャンの後ろでライブを支える人間が何を考えていたのか。何度も聴く度に頭をよぎるのは、自分の作品を支えてくれているときも、どこか本質を見透かされていたのではないのかということ。さらには、それもこれも全部をひっくるめて、あらゆるシーンにおいて音楽を魅力的にする魔法をかけていたんではないかと。



その後もかくして岡部さんは常に引っ張りだこで、フォアグラのごとく栄養満点の音楽をわんさか食べさせられて今日に至っている。しかも陰に隠れて自分でも色々な音楽を食べているらしい。
あれから10年以上たった今、彼の頭の中ではどんな音楽が響いているのか。聴いてみたいと思うのは、わたしだけではないはず。

お墓にはCD持っていけないからもう作らない、という。そんなこと言わないで作ってくれないかな。絶対に3枚は買うから。

でもこんなブログ書いたら、もっと岡部さんに嫌われちゃうんだろうし…。






岡部洋一webサイト http://donna-oto.com/okabe/

おまけ 2013年4月23日現在のオフィシャルプロフィール(たぶん) 1962年生まれ。 高校時代からパーカッションの演奏を始める。 大学在学中にブラジル音楽と出会い、卒業前からプロとしての活動を開始。ブラジリアンレストランでしばらく演奏したのち、いきなりおニャン子クラブの全国ツアーに参加。その後アイドル歌手のバックを多数つとめる。それとともにさまざまなジャンルのアーティストと共演するようになる。ジャズ系、ロック系のコンサートやライブハウスへの出演が増え、また来日ブラジル人ミュージシャンとの共演も多い。 もともと好きだったアバンギャルドな音楽を演奏する機会も多くなり、最近はどんどん深みにはまってゆく日々を過ごしている。 現在、トランスロックバンドとしてコアなファンをもつ「ROVO」や、「ボンデージ・フルーツ」、また16人編成のロックバンド、「ザ・スリル」のメンバーでもある。 おもな共演アーティストは、バーデン・パウエル、大貫妙子、ショーロ・クラブ、向井滋春、小野リサ、村田陽一、溝口肇、中西俊博、井上鑑、epo、酒井俊、城戸夕果、ホッピー神山、角松敏生等々。 2001年、初のリーダーアルバム「SATIATION」を、2007年にはソロ・パフォーマンスを収めた「感覚の地平線」をリリース。アグレッシブなプレイで心に火をつけるアーティスティックな打楽器奏者である。 

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