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2013年3月11日 (月)

藤井さんのこと

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藤井さんは動物病院の入り口に近いベンチに座っていた
脇にはメッシュでできた軽くて便利そうなキャリーバック

卓球のネットでできているんですって
洗えちゃうし
インターネットでひいてみたらきっと出てきますよ
と教えてくれた


そしてその中にねこがいた


はたちを過ぎてるんですよ
21か、2かもしれない、16までノラだったからわからない

リンパ腫なんです
もう手術はできない、人間なら100歳越えてますから


気がついたらそばにいた
猫なんて飼ったこともないし、どうしていいのかわからなくて

聞いたらお腹がすいているからごはんをあげろっていわれても
えさが何かもわからなかったら
これって渡されたのを見たら固いつぶで
こんな固いものをたべるのかとびっくりしました

それまでは猫の存在を意識したこともなかったし
うちのまわりに猫がいることも
猫たちにごはんをあげたり世話をしたりする人たちがいることも
町内の清掃活動のとき猫が一緒に参加していることにも気づかなかった



それから家の中に引き取りました
定期的におこなっていた血液検査でもいつも問題がなくて
じぶんたちより長生きするものと思っていた

それが突然
リンパ腫がみつかった

どうなっていくんでしょう
少しずつ体重が落ちている
でもね、手は大事ですよ
この間、呼吸困難になったときも
何もできないからずっと手でさすっていたら少しずつおさまった


時々思うんです
1年のうち1日でいいから
犬やねこと話ができる日があったら
でもそれが英語か日本なのか、困りますね
おとぎばなしみたいですけど

どんなこねこだったのか
16年間どんな暮らしをしていたのか

今はあまり副作用の出ない薬をもらってます
楽になるように
いつまでかな
穏やかな時間を過ごせさせてあげられますかね




藤井さんの名前が呼ばれて
二人はキャリーを抱いて診察室に入って行った

両親と同年代の藤井さんは
山崎ナオコーラがいうところの
「年齢をかさねて諦めることが増える、つまりあきらめるの語源、明らかになることが増えた」
人達に見えた

あんな風に年をとれたらいいな
そうすればねこだって
気がついたらそばにいてくれるかもしれない





生き物はきっと
大小の違いはあれど
必ず使命を持って生まれてくるんだ

その使命がどんな時、だれに果たされるのか
本人も気づかないまま


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