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2012年3月11日 (日)

ハンス-ゲオルグの記憶

  シズ、君は勘違いしてる。
  原子力は原爆ではないんだよ。
  使い道によってはとても安全で、むしろ人間の生活に必要になるんだ

ハンス-ゲオルグはことあるごと私に言っていた。

彼はドイツで知り合った友人であるユミのご主人で、音楽をこよなく愛する原子力学者。
ドイツに行った当時英語しか話せなかった私とっては、良き理解者であり、年の離れた友人のような存在だった。
見た目は年齢不詳、しかもどういう技を使っていたのか、学生しか買えない500円の天上桟敷の立ち見席のチケットで一緒にオペラを見ていたっけ。

ある時はヘリウム原子の模式図がポップにデザインされたTシャツ姿で現れ、原子力のしくみを丁寧に説明してくれた。
化学に疎いわたしにはちんぷんかんぷんだったけれど、こんな人間に対してまで熱意をもって接するその姿勢は、まさしく尊敬に値するものだった。
そんな彼が推奨するものであれば、きっと間違いはないと感じたことを覚えている。




5年前、ずっと音信不通だったユミから封筒が届いた。

そこにはブラームス作曲の Ruhe, Su・・liebchen (やすらかに眠れ、愛しいひとよ)の歌詞と
ハンス-ゲオルグの写真。

誰よりも音楽を愛し、ユミを愛し、人を愛していた。

彼はかつて東海村で勤務していたこともあった。
日本の原子力発電の発展にいくばくかの寄与をしたのかもしれない。

遥か彼方から、今の日本を彼はどんな想いで見ているのか。





Hans_yellow_3


Dies Irae for God's Bones 組曲「神々の骨」のための『怒りの日』
Youtube

何をするすべもなく、ただテレビに映し出される津波の映像を見ていたとき
頭の中で繰り返し鳴っていた音を五線紙に置いた。

失われたたくさんの尊い命が
決して無駄にならないために


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